株式会社バカーが設立されたきっかけは、ニコニコ動画を運営する株式会社ドワンゴの中で生まれた一プロジェクト「ゲームマガジン」が、いくつかの成功事例を生み出したことにあります。
これは2015年当時、世界的にインディーゲームが話題になる中で、日本のインターネット文化の最も深い「底流」と共に歩むサイトだったニコニコ動画が関わるとしたら、きっとこういうあり方になるだろう……と、当時の立ち上げメンバーが考えたプロジェクトでした。
具体的には、RPGツクールやWOLF RPGエディターなどの簡易ツールで制作されたゲームこそが――「そこら辺にいる高校生とか大学生とか」が、頭の固い大人たちを驚かすような創造性を発揮してきた――"日本的インターネット文化"と最も親和性があるだろうと見定めたのでした。
そして、そこにもう一つ私たちは、「編集者」の文化を持ち込みました。週刊少年ジャンプや電撃文庫などに代表される日本の漫画やラノベの文化では、クリエイターが「個人」ならではの尖鋭性を失わずに、メジャーなクリエイティブと結合するのを可能にしてきました。そのキーは、技量的には未熟でも尖った才能がある作家を磨き上げていく、編集者の存在にあるというのが当時の私たちの見込みでした。
その成果の是非はともかく、ゲームマガジンからは『殺戮の天使』『被虐のノエル』『アルネの事件簿』などの人気作品が飛び出し、特に『殺戮の天使』は大きなムーブメントを引き起こし、アニメ化に至り……そして様々な方々のご支援で会社として独立する結果になりました。
そして現在、弊社を取り巻く状況は大きく変わりましたが、基本的な精神は当時と変わることなくあります。それは、以前の公式HPに大きく掲げられた言葉――個人の力を世界へ開放する手助けを――することです。この一年ほど、どうしても目立った動きができなかった分、ここからは次々にエンターテイメントらしい、華々しく挑戦的な試みを仕掛けていくつもりです。これからも、ぜひ変わらぬ応援を、よろしくお願いいたします。
殺戮の天使
2015年8月〜2016年2月に連載されたサイコホラーアドベンチャーゲーム。
記憶を失った少女レイチェルが目を覚ましたのは怪しいビルの最下層だった。ビルの中を探索していたレイチェルは、B6フロアで死神のような鎌を持った殺人鬼ザック、B5フロアでレイチェルの主治医を名乗るダニーとそれぞれ出会う。
ダニーによって記憶の一部を取り戻した末に死を望むようになったレイチェル。その一方でビルのルールを破り自らも命を狙われるようになってしまったザック。「私を殺して」と願うレイチェルにザックが「一緒にここから出る手助けをしてくれよ。そしたらお前を、殺してやるよ」と“約束”し、二人は行動を共にすることになる。地上を目指す彼らの前にさまざまな殺人鬼が立ち塞がるが、はたして無事にビルから脱出することができるか……!?
全3巻。ゲーム本編で描かれなかったエピソードも複数収録されており、発売されるやファンの間で話題に。
『殺戮の天使』『殺戮の天使 Episode.0』『さつてん!』を展開中。2019年11月現在、累計発行部数は225万を突破している。
ニコニコ超会議で開催されるリアルイベントで、毎年チケットが発売後数十分で売り切れる。2018年8月には新宿HUMAXでも開催された。
2018年7月〜9月に放送され、中国・北米での海外配信も好調だった。関連グッズはアニメイト18`夏クール第1位の実績を得た。
2016年3月にスタンプ、2017年11月に着せ替えを作成・配信。着せ替えは登場時にランキング1位を獲得した。
『殺戮の天使』TVアニメ放送に伴い、PR企画として作成・運営。2018年8月に公開された初回配信は、すでに30万回再生を突破している。
真田まこと。ゲーム作家。2013年10月にフリーゲーム専門ライブラリサイト「ふりーむ!」に投稿した『霧雨が降る森』が話題となり注目を集めた。2015年8月に自身2作目となる『殺戮の天使』第1話を公開。ゲーム連載終了後も『霧雨が降る森』『殺戮の天使』ともにコミカライズやノベライズなどマルチメディアで展開され、現在も高い人気を博している。
被虐のノエル
2016年4月〜連載中の伝奇アドベンチャーゲーム。
プロのピアニストを両親に持つ少女ノエルは、ラプラス市内で開催されたピアノコンクールで優勝を逃し、栄誉ある“式典奏者”に選ばれず、ひとり絶望を味わうことになる。そんななか声を掛けてきた市長バロウズから選考に不正があったことを聞き、その言葉を信じて彼が指定した廃ビルへ向かったノエル。自身が“本当の式典奏者”になるため大悪魔カロンを呼び出して“契約”をした直後、契約の代償として両手足を失ってしまうのだった。
瀕死状態に陥ったノエルだが、バロウズに利用されて怒りが収まらないカロンに救われ、彼からバロウズへの“復讐”を持ちかけられる。協力関係を結んだ二人は、次々と訪れる危機に立ち向かいながらも次第にバロウズを追いつめていく。
累計発行部数は5万部を突破し、重版も行われている。カバー・口絵・本文挿絵は全て原作者カナヲ氏の描き下ろし。
『被虐のノエル』『ひぎゃくのノエルちゃん』を展開中。累計発行部数は20万を突破し、現在も重版を重ねている。
オリコン初登場で23位を記録(CDのみの発売で達成)。ニコニコ超会議2019やヴィレッジヴァンガードで行われたサイン会も大繁盛だった。
ニコニコ超会議にてゲーム本編内で登場するカジノ “ミスティ”を再現。2018年、2019年と開催され、整理券を配布するほどの集客があった。
カナヲ。ゲーム作家。シナリオやイラストだけでなく作曲までも自身で手掛ける。2015年5月に公開したフリーゲーム『虚白ノ夢』は、同年7月に開催された「ニコニコ自作ゲームフェス5」にて坂口博信賞・窓の社賞・コミックジーン賞・フリーゲーム夢現賞を受賞し、翌年にノベライズやドラマCDが発売された。2016年4月より『被虐のノエル』を連載中。
アルネの事件簿
2017年11月〜連載中の本格推理ゲーム。
二年前に母を亡くした貴族の少女リンは、ある夜、不審な行動をとる父を心配し尾行していたところ殺人事件現場に遭遇してしまった。謎の“異形の存在”に姿を見られて追い詰められたリンだったが、いつの間にか奇妙な世界「リューゲンベルグ」に迷い込み、そこで探偵業を営む吸血鬼アルネや、鏡の中に生きる謎の存在ジシェと出会う。アルネに自身の父について調べてほしいと依頼をしたリン。アルネを連れて自身の住むラインヴァイス家に戻って来た後、屋敷内でとある事件が起きるーー。
2018年6月にCase.1「ラインヴァイス家殺人事件」が完結し、同年10月にはInterlude「怪物たちの集う祭り」を公開。現在はCase.2「ホテルピトス盗難事件」を展開している。
ニコニコ超会議2019で春紫のサインが入った第1巻を先着販売した際は、異例の速度で完売した。
日本赤十字社とのコラボで、ニコニコ超会議2019にて初開催。2日目は半日で244人もの方が献血した。
春紫。イラストを担当する春太郎と、シナリオ・システムを担当するむらさきの二人で構成されたゲーム制作チーム。2014年10月に公開したフリーゲーム「りるれふ」が2016年1月にむらさきが執筆、春太郎がイラストを各々担当してノベライズ化されたほか、2016年7月〜2017年5月にはフリーゲーム『まぢちる』を手掛けた。2017年11月より『アルネの事件簿』を連載中。
「つぐのひ」シリーズ
主人公が様々な道=舞台を横に進んでいくことで、日常が徐々に恐怖に侵食されていくホラーゲーム。インディーゲームクリエイターとして、数々のホラー作品を作り続けてきたアイムシアンによる人気代表作。第1話(2012年公開)が”超怖い!”とネットで話題に、シリーズ作品は以降もYouTuberによる「ゲーム実況」を中心に人気を集め続けている。
「死臭-つぐのひ異譚-」 が2015年に映画化された。「死臭-つぐのひ異譚-」「日常侵食ホラーつぐのひ第一話~第三話」の設定を盛り込んだオリジナルストーリーが展開され、話題を集めた。
「死臭-つぐのひ異譚-」に、パックマンのキャラクターを出演させたゲーム。 バンダイナムコ様とのコラボ企画で制作2015年のニコニコ超会議バンダイナムコブースにて試遊展示された。
ImCyan(アイムシアン)
ゲーム作家。学生時代から個人でのゲーム制作を始め、2005年には『Lost Maria -名もなき花-』がテックウィンコンテストパークで金賞を受賞。
2012年12月発表のホラーゲーム「日常侵食リアルホラー つぐのひ」が、単純ながらも斬新なスタイルで大きく話題を呼んだ。以降、「つぐのひ」シリーズとして、様々なスタイルのゲームを制作。日本独特の湿っぽい“じめじめとした”空間を、独自の美学に基づく恐怖表現へと変換するスタイルが高い評価を受けてきた。
近年ではゴシックホラーや、VTuberとのコラボなどにも積極的に挑戦しており、独特の世界観がさらに進化。Steamで過去作を収録したパッケージが発売され、ゲーム実況でも高い人気を博するなど、ますます注目を集めている。
ゲームマガジンでは現在、メディアミックスのパートナーを募集しています。
原作者との緊密な連携のもとで、他ではできない面白い挑戦的なプロジェクトを我々は実現してきました。
ぜひ新しい分野に挑戦したい企業の皆様――お声がけ下さい。
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